レオがいない生活は、空っぽで、ぽっかりと穴が開いたみたいだった。
怒られることも、泣かされることもない。でも、手を握られることもなかった。
穏やかなのに、どこか空虚な毎日。
望んでいた「普通」の生活。
息をしてるだけで、胸の奥が冷たい。
寒いって感覚が、胸の内側にずっと残ってる。
……私は本当にこんな生活を望んでいたの?
もう怒鳴られない。
もう疑われない。
もう痛くない。
だけど、名前を呼んでも――もう返事は帰って来ない。
「レオ」
……戻りたいのかと言われるとわからない。
でも、簡単に忘れてしまえるほど軽い日々でもなかった。
