――――
――放課後の帰り道
人が少ない静かな通りを
ふたり並んで歩いていた
しばらく沈黙が続いたあと――
「あれから大丈夫だったか?」
「あ…うん…今朝はありがとう…」
ふとした響の優しさに少し胸が高鳴った
「なぁ」
響が不意に口を開いた
「……?」
「俺さ」
一瞬、ふっと目線を落とす響
「お前に…ちゃんと気持ち伝えたことなかったよな」
ドクン――
響がゆっくりとこちらに顔を向ける
「初めてなんだよ――」
「兄貴に譲りたくねえって、思えたの」
一気に胸が跳ねた
「……お前だけだよ」
「でも俺、こういうの下手だからさ」
小さく苦笑を浮かべる響
「兄貴みたいに上手く言葉で伝えられねぇし
優しく包み込んでやることもできねぇ」
「それでも…お前のこと、ずっと見てた」
静かに声を落とす響の表情が
どこか寂しげだった
(……響くん…)
「けど――」
響が少しだけ顔を上げる
「お前が…もし本当に嫌なら
俺はもう、構わねぇよ
お前と兄貴のこと…邪魔しねぇ」
その言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる
小さく続ける響の声が、どこか切なかった
「もし…少しでも俺を見てくれてたなら――
……それだけで良かったって思えるから」
そう言って、静かに前を向く響の横顔を見つめながら
わたしの心はまた大きく揺れていた__
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――放課後の帰り道
人が少ない静かな通りを
ふたり並んで歩いていた
しばらく沈黙が続いたあと――
「あれから大丈夫だったか?」
「あ…うん…今朝はありがとう…」
ふとした響の優しさに少し胸が高鳴った
「なぁ」
響が不意に口を開いた
「……?」
「俺さ」
一瞬、ふっと目線を落とす響
「お前に…ちゃんと気持ち伝えたことなかったよな」
ドクン――
響がゆっくりとこちらに顔を向ける
「初めてなんだよ――」
「兄貴に譲りたくねえって、思えたの」
一気に胸が跳ねた
「……お前だけだよ」
「でも俺、こういうの下手だからさ」
小さく苦笑を浮かべる響
「兄貴みたいに上手く言葉で伝えられねぇし
優しく包み込んでやることもできねぇ」
「それでも…お前のこと、ずっと見てた」
静かに声を落とす響の表情が
どこか寂しげだった
(……響くん…)
「けど――」
響が少しだけ顔を上げる
「お前が…もし本当に嫌なら
俺はもう、構わねぇよ
お前と兄貴のこと…邪魔しねぇ」
その言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる
小さく続ける響の声が、どこか切なかった
「もし…少しでも俺を見てくれてたなら――
……それだけで良かったって思えるから」
そう言って、静かに前を向く響の横顔を見つめながら
わたしの心はまた大きく揺れていた__
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