双つの恋、選んだのは君だった



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夜――

部屋のベッドに寝転びながら
天井をぼんやり見上げていた

(……私、今――どうしたいんだろう…)

樹先輩の優しさは
会うたびに胸をあたたかくしてくれる

そばにいると落ち着いて
自然と安心できる

でも――

(……響くんのことになると)

思い出すのは
昨日の低くて静かな声

わたしを助けに来た時の、普段と違う真剣な表情

(あんなふうに見つめられると…)

胸がぎゅっとなる

(……わからない)

目を閉じても
心臓だけが静かに騒がしく跳ね続けていた__

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