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それから数日後――

サークルが終わったあと

荷物を整理していたら
響が自然に隣に立っていた

「最近兄貴とばっかりだな」

「……別に…そ、そんなこと…」

「サークル終わるたびに兄貴と帰って
たまにカフェ寄って…」

「え!? な、なんで知って――」

響はわざとらしく肩をすくめて笑う

「兄貴のスケジュール、だいたい把握してんだよ」

「……そなんですね…」

わたしが俯くと、響が少しだけ声を落とした

「お前さ」

「……?」

「俺のことも…もう少し意識しろよ」

ドクン――

「え…?」

「兄貴だけじゃなくてさ」

わたしの方に少しだけ距離を詰めてくる響

「たまには…俺とも帰れよ」

「そ、そんな…!」

「何焦ってんだよ」

また口元を緩めて微笑まれる

(……ほんとに意地悪…)

でも…響のその低い声も、近さも
心臓をまた静かにざわつかせてくる

「お前が兄貴にばっかり取られてんの
なんか、つまんねぇんだよな」

その呟きにまた心臓が跳ねたまま
わたしは何も言えなくなった__

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