報復を最愛の君と

好きになるはずもない相手のことなんて、知ったって意味がない。


「姫様!」


振り返ると、私の専属執事であるカナタ・メアンが走ってきていた。


「カナタ!」


私は笑顔で彼に駆け寄る。


私が素でいられるのはカナタの前だけ。


唯一信じている、大切な人間。


「全く!!どこにいったのかと思ったら…。昼食の時間ですので、戻りますよ!!」


少し怒った様子のカナタを見て、私は笑った。


「ごめんね。時間見てなかった!」


私がそう言うと、カナタは呆れたようにため息をついた。


「姫様はいっつもそれですね。まあ、姫様らしいです。それでは、部屋に戻りましょう!」


「うん、そうしよう」


カナタは私の手を取り、部屋へ連れていってくれた。


他の人間は触れると「汚い!」とか「この呪われた子が!」なんて言うけれど。