報復を最愛の君と

「言われなくても!」


怒った様子で、使用人は来た道を戻っていった。


「全く…」


この国では、能力者は“呪い”である。


私も呪いだそうで、家族にも愛されたことがない。


人間になることを強いられ、手術だって何度も繰り返してきた。


そして今では人間の姿と人魚の姿を、自由に変えることができるようになった。


さらにそのせいで気持ち悪がられたけれど。


でも、仕方がない。


私は隣国の人間主義国、カント国の王子ソラ・カントと婚約している。


もっとも、私はソラ様の顔すら知らないのだが。


ただ、透き通るような金色の髪を持っていると。


そう聞いている。


だが私には、相手が誰だと関係ない。


人間はみんな自己中心的な者なのだから。