報復を最愛の君と

その後、ラクはパチンッと指を鳴らした。


その音が温室に響き渡ったと同時に、漆黒の髪はみるみる金髪に変わり瞳の色も金色へと変わる。


「改めて、俺はソラ・カント。隣国のカント国の王子だよ。よろしく」


彼の言葉を聞いた後ソラ・カントという名前が、脳内で何度も再生された。


そうだ、この名前…。


「あなた…私の婚約者の…」


私がそう言うとわかっていたとでもいうように、ラク…いやソラは笑った。


とても嬉しそうな顔だった。


ずっと会いたかった。


人魚である私は人間になれるまで彼とは会えない、お父様にそう言われていて諦めていた。


とても優しくて素晴らしい方だと聞いていたけれど…。


「そう、あなた…なのね。私はイコロ国の姫、ヒメア・イコロよ。実は人魚なの」


「知ってるよ」


私は涙を流した。


彼なら私が人魚であることも受け入れてくれる、そう確信していたから。


これは“嬉しい”の涙だ。


「これからよろしくね。ヒメア」


「うん!よろしくソラ」


私達はそう言って笑い合った。


この後何が起きるかも知らずに。