報復を最愛の君と

「ま、待って…ください!」


ひたすら逃げるように走って、倉庫からはだいぶ離れている。


それでもまだ走りそうな少年を、私は止めた。


私の息もだいぶ上がってしまっている。


すると、少年はぴたりと止まった。


「ごめん…」


彼の第一声はそれだった。


そして、透き通るその声に懐かしさを感じた。


なぜだろう、すごく不思議な感じがする。


彼はフードをとり、私に顔を見せた。


その顔を見て、私はすぐに誰だかを理解した。


私は彼のことをよく知っていた。


なぜなら、同じ学園でクラスメイトだったから。


名前はラク・レタラ。


漆黒の黒髪に茶色い瞳、無愛想で不機嫌そうな表情をしているけれど、今まで会った誰よりもかっこいい人。