その日の夜、私の部屋には予定通りルナが来た。
「姫様、いらっしゃいますか?」
いつも元気で声の大きいルナだけど、今は雰囲気が違って頼もしく見える。
「いるよ。迎えにきてくれてありがとう」
「い、いえ!それより、お洋服を着替えましょう!それでは動きにくいですし」
薄着のワンピースのような部屋着は、水に浸かっていて動きずらい。
普段寝る時は水の中に入って楽にして寝るから。
確かに今は着替えた方が楽かもしれない。
「そうする。そこのクローゼットに服が入ってるから、とってくれない?」
ルナの後ろにあるクローゼットにを指差し、そう言った。
コクっとうなずき、服をとってくれる。
その間私は人魚の姿から人間の姿へと変えた。
濡れた体をふいて、ルナから服を受け取る。
「ありがとう。ちょっと待ってね、すぐ着替えるから!」
ルナが用意してくれたのは水色と白のワンピース。
首元には赤色のブローチがついている。
「姫様のお気に入りの服…で合っていますよね?」
そう聞かれて、驚いて目を見開く。
「ルナってよく見てるよね」
「ふふっ、姫様のことならなんでも分かりますよ!」
自信満々に言ったその言葉に、私は嬉しくなった。
その後着替えが終わり、全ての荷物を持って部屋を出た。
もちろん見つかってはいけないから、静かに移動をする。
廊下を進んで数分経った頃、おそらく見回りの男がこちらに近づいてきた。
隠れる場所を探すが、どこにもない。
「どうする?隠れる場所はなさそうだし…」
そう小声で伝えると、ルナは人差し指を口に当てて笑った。
私の手をひいてすぐ隣の壁を押した。
すると、静かに壁の一部がまわったのだ。
私達はするりと壁の奥へと移動する。
「ここまでくれば安心ですよ!防音になってますし」
そう言ってにこっと笑って見せたルナ。
私は驚きで動けない。
「うそ…」
こんなところに隠し通路があったなんて、知らなかった。
どうして今まで気がつかなかったんだろう。
「ここは特定の人しか入れないように、能力をかけてもらったんです!だから見つからなかったんですよー!」
笑顔でそんなことを言うルナには、やっぱりついていけそうにない。
私はため息をつく。
「説明は今度でいいよ。とにかく、今は急がなきゃなんでしょ?」
「はい、そうですね。じゃあついてきてください!」
そう言ってからルナは走り出した。
私も後に続いていく。
数分間この長くて薄暗い廊下を走り続けて、奥にようやくドアが見えてきた。
「あそこから裏庭に出られます!ソラ様とスイくんはそこで待っているとのことです!」
そうして私達はドアの前につき、外に出る。
外に出るとそこはもう見慣れた景色。
誰もこない噴水のある裏庭だった。
「わわ、そういえばずっとお荷物を持たせていましたね!お持ちしますよ…!」
「いいよそんなの…!私の荷物なんだし」
私の荷物を持とうとしてくれたけど、私は首を横に振って断った。
「ですが…」
「ルナ、ヒメアが自分で持つって言ってるんだしいいんじゃない?」
いつのまにか私達の後ろに立っていたソラとスイ。
「ソラ様!」
「ソラ!」
私とルナの声がかぶり、ソラがくすりと笑う。
「やあ、今宵は月がきれいだねヒメア。無事にここまできてくれて安心だよ」
そう言ってウインクをした。
かっこいいから、バッチリ決まっちゃうの。
私は何も言えずただうなずいた。
「姫様、いらっしゃいますか?」
いつも元気で声の大きいルナだけど、今は雰囲気が違って頼もしく見える。
「いるよ。迎えにきてくれてありがとう」
「い、いえ!それより、お洋服を着替えましょう!それでは動きにくいですし」
薄着のワンピースのような部屋着は、水に浸かっていて動きずらい。
普段寝る時は水の中に入って楽にして寝るから。
確かに今は着替えた方が楽かもしれない。
「そうする。そこのクローゼットに服が入ってるから、とってくれない?」
ルナの後ろにあるクローゼットにを指差し、そう言った。
コクっとうなずき、服をとってくれる。
その間私は人魚の姿から人間の姿へと変えた。
濡れた体をふいて、ルナから服を受け取る。
「ありがとう。ちょっと待ってね、すぐ着替えるから!」
ルナが用意してくれたのは水色と白のワンピース。
首元には赤色のブローチがついている。
「姫様のお気に入りの服…で合っていますよね?」
そう聞かれて、驚いて目を見開く。
「ルナってよく見てるよね」
「ふふっ、姫様のことならなんでも分かりますよ!」
自信満々に言ったその言葉に、私は嬉しくなった。
その後着替えが終わり、全ての荷物を持って部屋を出た。
もちろん見つかってはいけないから、静かに移動をする。
廊下を進んで数分経った頃、おそらく見回りの男がこちらに近づいてきた。
隠れる場所を探すが、どこにもない。
「どうする?隠れる場所はなさそうだし…」
そう小声で伝えると、ルナは人差し指を口に当てて笑った。
私の手をひいてすぐ隣の壁を押した。
すると、静かに壁の一部がまわったのだ。
私達はするりと壁の奥へと移動する。
「ここまでくれば安心ですよ!防音になってますし」
そう言ってにこっと笑って見せたルナ。
私は驚きで動けない。
「うそ…」
こんなところに隠し通路があったなんて、知らなかった。
どうして今まで気がつかなかったんだろう。
「ここは特定の人しか入れないように、能力をかけてもらったんです!だから見つからなかったんですよー!」
笑顔でそんなことを言うルナには、やっぱりついていけそうにない。
私はため息をつく。
「説明は今度でいいよ。とにかく、今は急がなきゃなんでしょ?」
「はい、そうですね。じゃあついてきてください!」
そう言ってからルナは走り出した。
私も後に続いていく。
数分間この長くて薄暗い廊下を走り続けて、奥にようやくドアが見えてきた。
「あそこから裏庭に出られます!ソラ様とスイくんはそこで待っているとのことです!」
そうして私達はドアの前につき、外に出る。
外に出るとそこはもう見慣れた景色。
誰もこない噴水のある裏庭だった。
「わわ、そういえばずっとお荷物を持たせていましたね!お持ちしますよ…!」
「いいよそんなの…!私の荷物なんだし」
私の荷物を持とうとしてくれたけど、私は首を横に振って断った。
「ですが…」
「ルナ、ヒメアが自分で持つって言ってるんだしいいんじゃない?」
いつのまにか私達の後ろに立っていたソラとスイ。
「ソラ様!」
「ソラ!」
私とルナの声がかぶり、ソラがくすりと笑う。
「やあ、今宵は月がきれいだねヒメア。無事にここまできてくれて安心だよ」
そう言ってウインクをした。
かっこいいから、バッチリ決まっちゃうの。
私は何も言えずただうなずいた。


