報復を最愛の君と

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あの後私は部屋に戻り、勉強の続きをした。


何事もなかったようにしなくてはいけなかった、そんな気がした。


数十分後に、カナタが部屋に来た。


「調子はどうですか姫様?休憩にされては?」


紅茶を持ってきてくれたので、私は休憩を挟むことにした。


カナタからは、先ほどの雰囲気は感じとれなかった。


見間違いなんじゃないかと思った。


それを確かめるように、私はこう聞いた。


もちろん、私が聞いていたことがわからないように。


「ねえ、カナタ。さっきバルコニーに休憩に行ったら、貴方がいた気がしたの。気のせいかな?」


私は首をかしげると、カナタはにっこりと笑った。


「物置に用がありまして」


その瞬間、はぐらかされたとわかった。


答える気がないのだろう。


その時のカナタの瞳の奥には、闇が見えてしまった気がした。