「おはよー」
「おはよ、楓。ごめん、待ったでしょ?」
家の前。幼馴染の藤田楓が待っていてくれていたみたいで、私は慌てて楓に駆け寄る。
「いや、全然。今来たばっかだし」
そう言って壁にもたれかかっていた体を起こした楓。…嘘だ。私はよくわかる。楓の癖は、疲れたりずっと立っていた時に壁にもたれかかることだし、楓の鼻が少し赤くなっているし、いつもよりマフラーを深くつけていて口が見えない。
季節、冬。1月。中学二年生。
今日は私のめでたき誕生日。
私、彩湖綾。
普通の中学生だけど、楓はそうはいかない。
「あ、ねえ、こっちの近道から行こうよ」
「…?なんで?」
「だって、楓がかっこよくてみんな集まってくるからさ」
楓は、いわゆる王子様。爽やかイケメンとも言うのかもしれないけど。
スマートだし、さらりとかっこいいことを言う。
でも…。
「ああ、そうだね…豚が寄ってくるから」
「豚って…女子のこと、だよね?」
そう、楓はすごーく、毒舌なのです。
楓はかっこいいから、女の子たちがいっぱい寄ってくる。
「?なんで?女の子たちはすごくいい子達だよ?」
ニコッと爽やかに笑った楓が、眩しく見えた。
「ええっ…?じゃあ、どの子達が…?」
本物の豚が寄ってくるわけじゃないと思う。
「ははっ、まあ秘密」
「えー、ケチー」
なんていいながら私は興味がなくなって近道へと入って行った。
そんな私は気付かなかった。
「…綾をじろじろみてくる男共のことだよ」
いつも通りの爽やかな笑顔で、楓がそんなことを呟いていたなんて。
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私の通う学校の制服は、とっても可愛い。
少し濃いめのピンクのネクタイは、腰まで届きそうな長いもの。
ベストは淡い水色で、網目の模様がついている。
ブレザーは緑色で、ネクタイを隠すようにボタンを留める人や、ボタンを留めない人もいる。私はネクタイが見えるようにボタンを留める派だ。
「…」
「へっ、な、何っ?」
楓の視線は、私の足。いや…スカート?
「いや?…そのスカートめっちゃ長いね。綾は夏のでも長かったのに…」
「えっ、あ、ああ…寒いからねっ」



