今度は、私が君を守る。


「おはよー」

「おはよ、(ふう)。ごめん、待ったでしょ?」

家の前。幼馴染の藤田(ふじた)楓が待っていてくれていたみたいで、私は慌てて楓に駆け寄る。


「いや、全然。今来たばっかだし」

そう言って壁にもたれかかっていた体を起こした楓。…嘘だ。私はよくわかる。楓の癖は、疲れたりずっと立っていた時に壁にもたれかかることだし、楓の鼻が少し赤くなっているし、いつもよりマフラーを深くつけていて口が見えない。

季節、冬。1月。中学二年生。

今日は私のめでたき誕生日。

私、彩湖(さいこ)(あや)

普通の中学生だけど、楓はそうはいかない。

「あ、ねえ、こっちの近道から行こうよ」

「…?なんで?」

「だって、楓がかっこよくてみんな集まってくるからさ」

楓は、いわゆる王子様。爽やかイケメンとも言うのかもしれないけど。

スマートだし、さらりとかっこいいことを言う。

でも…。

「ああ、そうだね…豚が寄ってくるから」

「豚って…女子のこと、だよね?」

そう、楓はすごーく、毒舌なのです。

楓はかっこいいから、女の子たちがいっぱい寄ってくる。


「?なんで?女の子たちはすごくいい子達だよ?」

ニコッと爽やかに笑った楓が、眩しく見えた。

「ええっ…?じゃあ、どの子達が…?」

本物の豚が寄ってくるわけじゃないと思う。


「ははっ、まあ秘密」

「えー、ケチー」


なんていいながら私は興味がなくなって近道へと入って行った。


そんな私は気付かなかった。

「…綾をじろじろみてくる男共のことだよ」


いつも通りの爽やかな笑顔で、楓がそんなことを呟いていたなんて。


**


私の通う学校の制服は、とっても可愛い。


少し濃いめのピンクのネクタイは、腰まで届きそうな長いもの。

ベストは淡い水色で、網目の模様がついている。

ブレザーは緑色で、ネクタイを隠すようにボタンを留める人や、ボタンを留めない人もいる。私はネクタイが見えるようにボタンを留める派だ。


「…」

「へっ、な、何っ?」


楓の視線は、私の足。いや…スカート?

「いや?…そのスカートめっちゃ長いね。綾は夏のでも長かったのに…」


「えっ、あ、ああ…寒いからねっ」