最後に名前を呼べたなら ―君の記憶と、永遠に―

「お前、マジでバレんぞ」

愛翔が言ってきたのは、ちょうど放課後だった

 

「何が」

「隠し事してるの、わかりやすいって」

「してねぇよ」

 

「してんじゃん。てか、最近ちょっと菜亜と距離取ってない?」

「……別に」

「サプライズでも準備してんの?」

 

その言葉に
悠はふっと笑った

 

「……したらしたで文句言われんだろ」

 

 

悠は、誕生日のことをちゃんと覚えてた
しかもずっと前から準備してた

でも
そういうことを、簡単に言葉にできない

“ちゃんと渡したい”
“ちゃんと喜ばせたい”

そう思って動いてるのに
不器用な自分は、それを隠すことしかできない

 

 

そして――
その“距離感”が、ふたりの間に
小さな不安の影を落とし始めていた