最後に名前を呼べたなら ―君の記憶と、永遠に―

ベッドに寝転がりながら
スマホの画面をぼーっと見てた

既読のついてないトークルームに
「明日、課題手伝ってやろうか?」って下書きだけが残ってる

 

送れねぇ
何回目だよ、これ

 

「……バカみてぇ」

ぼそっと呟いたタイミングで
着信音

画面には愛翔

 

「……なんだよ」

 

『お前さ、マジで菜亜のことどうなん?』

唐突すぎて、言葉が止まる

 

『もうバレバレだぞ、クラスでも』

 

「別に……あいつのことは」

言いかけて、黙る

 

スマホの向こうの愛翔は
笑ってんのか、真剣なのか、よくわからない

でも
一言だけ返ってきた

 

『なら、今のうちにちゃんとしとけよ』

 

 

通話が切れたあと
悠はしばらくスマホを見つめてた

名前の表示を、何度も指でなぞる

 

送るべき言葉が、見つからないまま
画面が、静かに暗くなった