〇ガタンゴトンと揺れる電車内
電車に揺られる菜穂/初めて着る転校先の制服をニコニコしながら袖を握っている
→基本的に菜穂は箱入り娘でふわふわしているイメージ

菜穂(転校するのは寂しかったけど制服可愛いし、ちーちゃんもジュンちゃんも元気かなぁ。)
※ちーちゃんとジュンちゃんは転校前の親友たち
菜穂(電車に乗るのも初めてだし、もしかしたら初めての彼氏だって‐‐‐。)
菜穂はニヤニヤしながら新しい学校に少しの不安とこれからの楽しみ・期待を胸に学校へ向かう。
転校先の最寄りの駅に着き、初めて知らない地に立つ菜穂。

モノローグ『今日から知らない場所で生きる。全部が初めてで…少し怖い。』『でも、あの時の私はまだ知らなかった‐‐‐。』

→ラストのコマ:遠くにある校舎。小さく描かれた”檻”の影(比喩的)

〇転校先の教室の中/黒板には『藤田 菜穂』と書かれている
先生「今日からこのクラスの一員になる、藤田菜穂(ふじたなほ)さんだ。」「じゃあ藤田さん、一言お願いしていいかな?」
先生のイメージ:物腰柔らかそうな優しそうな男性(30)、眼鏡
菜穂「は、初めまして…。藤田菜穂です…、よ、よろしくお願いしますっ…!」
緊張のせいで顔を真っ赤にしながら自己紹介する菜穂。
クラスメイトのほぼ半分がガラの悪そうな男子。菜穂が先生に紹介されている途中ヒソヒソと話している。
クラスメイト男A「うっわ、転校生当たりじゃーん。」
クラスメイト男B「黒瀬のタイプじゃね?可哀そうに」
先生「藤田さんの席はー、一条の隣に行ってくれ。」
先生に指定された席は窓側の後ろから二番目の席。窓側の一番後ろの席は黒瀬玲央の席で本人は不在。
菜穂が席を着いた途端、
涼介「はじめまして、一条涼介です。」※キラキラ笑顔
涼介イメージ:キャラメル色のパーマが緩くかかっている髪に、子犬のようなくりくりの大きい目。The 王道系のイケメン。
菜穂「は、はじめましてっ!お隣失礼しますっ…!」※男に耐久性のない菜穂は涼介に声をかけてもらっただけで顔が赤くなる
涼介「アハハっ、なんか固くない?この学校で分からない事があったらなんでも言ってね!」※さらにキラキラ笑顔
菜穂「あ、ありがとうございますっ!」(ひぇ~、こんなイケメン見たことないよ( ノД`)”)
その後先生が必要事項を言い、朝のホームルームが終了。

〇ホームルーム終了後
菜穂が後ろの席に人がいないことに気づく。
菜穂「あの、一条君。私の後ろの席っていつも人がいないんですか?」※恐る恐る聞く
涼介「…あぁ、後ろの席は黒瀬って言う奴の席。あんまりここに来ないかな。」
菜穂はポツンとたたずむ玲央の席を見つめる。
菜穂(不登校なのかな…。怖い人だったらどうしよう…。)
ポイント:まだ玲央は登場しなくて「存在感」だけ出させる。
     また、菜穂は今の時点でなんとなく居心地の悪さを感じている描写を入れる。
凛子「初めましてっ!私、前の席の凛子!よろしくっ!」
凛子イメージ:少しボーイッシュのような短い髪の毛に真ん丸な目。常に元気なのが特徴
菜穂「わっ、初めまして!菜穂です!よろしくお願いしますっ...!」※いきなりでびっくりしている描写
涼介「うわー、凛子。菜穂ちゃんビビらせて可哀そうに。」
凛子「え、まじ??ごめん!!」
菜穂「大丈夫ですよー!」
凛子「うわっ、天使。菜穂って呼び捨てしていい?」
菜穂「もちろん!」※ぱぁっと顔が明るくなる。
涼介「俺は女の子のこと呼び捨てにできないからざんねーん。」※そんなに残念がっていない、むしろ凛子への皮肉
凛子「りょ~すけ、あんた今何を言ったのかわかる?」
凛子と涼介のじゃれ合いが続き、菜穂は面白そうに微笑んでいる。

〇昼休み
菜穂、凛子、涼介の3人で教室で昼ご飯を食べている描写から始まる。
菜穂と涼介は前向いてご飯を食べていて、律子は椅子を逆にして対面で食べている。
凛子「えっ!菜穂って転校前白百合だったのー!超お嬢様じゃん!!」※少し興奮気味
菜穂「そんなことないよ!成績だって良くなかったし…!」※恥ずかしくなって顔が赤くなる
涼介「でも、菜穂ちゃんって雰囲気でお嬢様って感じするよね。ふわふわしてるって言うか。」
律子「まじで最初見たとき、花のオーラ見えたから!」
菜穂「花のオーラってどういう事…。…あっ、昼休み職員室行かなければならい用事ありました!」※ハッといきなり気づく顔
涼介「おぉー、そりゃ大変だね。職員室の場所分かる?」
菜穂は焦って机の中から書類を探す。だいぶ焦っている。
菜穂「多分、大丈夫です!すみません、お食事中に…!!」※席を立ちあがっている
律子「むしろ今気づいて良かったじゃん!あっ、職員室行くときは東校舎から行きなよ!」
菜穂「はいっ!ちょっと失礼します!!」※ペコリとお辞儀をし、猛ダッシュで教室を出た。