寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「お前、ユカと仲良かったろ」

 同じ班だったことがある程度だよ。

「代わりに来てくれよ。
 俺の顔を立てると思って」
と誰の顔なんだか知らないが言い、綾都の手首をつかんでくる。

「いやいやいやっ。
 私、今、ちょっと待ち合わせしててっ」

「え?
 ほんとに?

 なにそれ、彼氏?」

 ……彼氏、と言うには抵抗がある
という迷いを見てとられた。

「嘘なんだろ、ミヤミヤ。
 消しゴム貸してやったじゃん、前」

 それ、何年前っ!?

 揉めている気配を感じ、コンビニのおばちゃんがこちらに来てくれようとしていた。

 そのとき、綾都のスマホが鳴った。

「あっ、待ち合わせの人からメッセージがっ」
と派手にスマホの画面を突き出し、

 じゃあ、私、これでっ、と去ろうとしたが、突き出した方の手をつかまれる。