寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 



 待ち合わせ場所のコンビニに行くと、まだ慶紀は来ていなかった。

 雑誌のコーナーで待とう。
 外が見えるから、と思い、いい雑誌はないかと眺めていると、

「おー、ミヤミヤじゃん。
 ナイスー」
とちょっとチャラい感じの男の人が声をかけてきた。

 ヒップホップダンサーみたいな格好をしている。

 いや、ヒップホップダンサーがチャラいわけではないのだが。

 まあ、そういう系統の格好をしている。

「久しぶりー」
「え、あ、久しぶり」

 誰だ、こいつは。
 でも、私をミヤミヤと呼んだということは、小中学校のときの誰かには違いない。

 ミヤミヤは小中学校限定のあだ名だったからだ。

「ミヤミヤ。
 暇ならちょっと来てくんねえ?

 このあと、コンパなんだけど。
 女の子が一人、ドタキャンしちゃって。

 ほら、ユカだよ」

「ああ、ユカ」

 ほんとに同級生のようだ。
 誰っ?