寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「でも、どうせなら、知らない人が相手の方がよかった。
　そういうの、なんかわかるでしょうっ？」

　そう訴える浜子に、
「わかりますっ」
と言ったのは、綾都ではなく、美鳥だった。

「例えば、同じクラスのイケメンが、同じ学校のちょっと知ってる子とかに持ってかれたら嫌なんですよっ。

　全然違う遠くの学校の幼なじみの美少女と付き合ってるとかだったら、見たこともない子だし、知らないし。

　この先、きっと会うこともないし。

　あー、そうなんだ。
　へー、で終わるのにっ。

　前から知ってる子が相手だと、なんか引っかかるんですよね～っ」

　わかる～っと浜子とダンボールを片手に持ち替えた美鳥は固く握手している。

　いや、私、昨日、見たこともない美女と白神さん見て、なんかイラッと来ましたけどね。

　私の心が狭いのでしょうか……？
と思ったとき、浜子がいきなり綾都を振り向いた。

「あんたも何処か遠くの知らない人だったらよかったのよっ！

　白神さんが、何処かのお嬢様とお見合いして結婚するんだって。
　へーで済んだのよ。

　だから、あんた、今すぐ遠くに行きなさいよっ！」
と無茶を言う。