寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「じゃあ」
と慶紀はそのまま去っていった。

 ……なにしに来たんですか、と思いながら、見送る綾都の横で、

「あらあらあら~」
と美鳥がニヤニヤしている。

「なにか理由を作って、ちょっとでも顔が見たかったんじゃないの? ラブラブじゃん」

「そ、そんなことは……」
と言いかけたとき、ガッシと誰かに肩をつかまれた。

 浜子だ。

「許さないわ。
 白神さんと結婚するなんて」

 今、何処から湧いてきました……?

「私の方がずっと前から、白神さんを見つめてきたのにっ。
 まあ、私と白神さんがうまく行くとかはないかな~とは思ってたんだけど」

 意外に謙虚ですね。

 そんなこともないかと思いますが……、
と今日も可愛らしい格好をしている浜子を見る。