「あのー、女たらしとか、責任をとれとか言ってましたけど。
あの方とは、なにもなかったんですか?」
「あるもないも……」
と言いかけた慶紀の言葉を遮るように、どこかで聞いた声が聞こえてきた。
「いやいや、わかんないよねえ。
慶紀も男だからねえ」
櫂が立っていた。
男性の友人たちと一緒に来ていたらしい。
「相手が自分に気があるのをいいことに、これ幸いと襲いかかってみたり――」
あの、あなたは見合いの仲介人ですよね。
何故、破談にさせるようなことを……。
「うそうそ。
順調そうだね。
式、楽しみにしてるよ」
と言って、櫂は待っていた友人たちと同じ車に乗り、さっさと行ってしまった。
チラ、と綾都は慶紀を見上げる。
まあ……確かに。
これだけの人だから、今までお付き合いしていた方がいなかったと考える方が不自然かも。
つい、疑わしげな目で見てしまっていたらしく、慶紀が言ってくる。
あの方とは、なにもなかったんですか?」
「あるもないも……」
と言いかけた慶紀の言葉を遮るように、どこかで聞いた声が聞こえてきた。
「いやいや、わかんないよねえ。
慶紀も男だからねえ」
櫂が立っていた。
男性の友人たちと一緒に来ていたらしい。
「相手が自分に気があるのをいいことに、これ幸いと襲いかかってみたり――」
あの、あなたは見合いの仲介人ですよね。
何故、破談にさせるようなことを……。
「うそうそ。
順調そうだね。
式、楽しみにしてるよ」
と言って、櫂は待っていた友人たちと同じ車に乗り、さっさと行ってしまった。
チラ、と綾都は慶紀を見上げる。
まあ……確かに。
これだけの人だから、今までお付き合いしていた方がいなかったと考える方が不自然かも。
つい、疑わしげな目で見てしまっていたらしく、慶紀が言ってくる。



