「何処か行きたい店はあるか?」 「いえ、特に」 「この近くだったら、そうだな……。 和食と洋食、どちらがいい?」 「白神さんはどちらの気分ですか?」 「俺は今は、どっちでもいけるな」 「じゃあ、そうですねー。 和食が好きなんですが。 今日は、素敵な神殿みたいなところに行ったので、洋食がいいですかね」 「近くに美味い店があるが」 行きましょう、行きましょう、とここまでは、なごやかだったのだが――。