寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「どうかしたのか?」
「いえ、なんでも……」

 お気づきにならないのなら、結構です、と綾都は思っていた。

 慶紀は気づいていたのかいなかったのかわからないが、綾都の視線を追って言う。

「……お前、胸はどうした?」
「置いてきました」

 自宅に、と綾都は言った。