寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「前ほど、物も服も買い込まなくなったんですよね。

 なんでかなと思ってたんですが。

 なにか買うときって、これを買うと素敵な未来が訪れるかも、とか思って、ついつい買ってしまってた気がするんですよ。

 でも――

 もういいかなって」

「そうか。
 なんでだ」

 ……この人には、最後まで言わないと駄目なようだ。

 謙虚だからか。
 朴念仁(ぼくねんじん)だからか。

 でも、そんなところが自分には合っている、と綾都は思った。

「す、素敵な未来。
 もう、お訪れてるからですっ」

 そう言い、勇気を出して、慶紀の腕にそっと触れてみた。

 あなたが側にいるからですよ、というように。