寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「ラーメン屋……。
 ラーメン屋。

 何処がいいですかね?」

 そう呟いたとき、何処からともなく、すごくいい焦げたタレの匂いがした。

 思わず、振り返る。

 のれんの左右に赤提灯がさがった木造の店が目に入った。

「あ、いい感じの焼き鳥屋」

 そう綾都が言った瞬間、慶紀が全然違う方角を見て言った。

「あ、いい感じのバーが」

 あれだけ絶対、ラーメン屋ですよねっ、と言っていたのに、結局、二人とも裏切った。