寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「いやー、長女と聞いたが」

 老眼鏡を出し、クリアファイルを見ながら耕史郎は言う。

「だから、家を継いでくれそうな次男とかがいいって、藤宮さん言ってたよ」

 これがお前の裏切りかっ、という目で、慶紀がこちらを見た。

 いやいやいやっ、私、そんなの知りませんでしたしっ、
という意味を込めて、綾都が両手を激しく振ったとき、耕史郎が言った。

「ちょうどいい南極料理人がいるんだよ」

 私、何処に連れ去られるんですかねっ!?

 いや、冷静に考えたら、南極に妻は連れて行かないと思うのだが……。

「ク、クマみたいな人なんですかね?」
と小声で慶紀に言って、

「何故……」
と言われる。