「そういえば、あなた、なにしに帰ってきたの?」
オードブルやお菓子をツマミに呑みながら愛が言う。
……あの、たまに会うと感じる確かな愛は何処行ったんですか、
と綾都が思っていると、
「いや、予定通りに帰ってきただけだが。
ああでも、ここに寄ったのは、別の理由があって」
と耕史郎は鞄の中をゴソゴソやりはじめた。
「実は、頼まれごとがあったの、思い出したんだ」
ああ、これこれと耕史郎はクリアファイルを引っ張り出してくる。
「これを藤宮さんに渡そうと思って」
誰にだって……?
「藤宮さんのお孫さんに、いい話はないかって言われてて」
……うちの話だとしても、孫、たくさんいますからね。
「確か昌治さんの娘さんで」
「……し、下の方ですか?」
と綾都は思わず身を乗り出して、訊いていた。



