リビングでは愛と耕史郎が待っていた。
耕史郎は恰幅の良い紳士だった。
顔はちょっと慶紀と雰囲気が似ている。
「お土産です」
と綾都はトラブル用オードブルとお菓子の箱を渡した。
「あら、ありがとう。
私、好きなのよ、ここの店の焼き菓子」
と愛は喜んでくれる。
……そうだ。
予定とは違うことをしてみるのもいいかもしれないな。
「どうぞ、アジの干物です。
美味しいらしいですよ」
この豪邸には似合わないアジの干物も渡してみた。
「ほほう。
これはこれは」
……意外に喜ばれた。
いや、喜ばれたくないわけではないのだが。



