「手土産になにか買って行こうと思うんですが」
「別に気を使わなくてもいいんだぞ」
「百貨店に寄る時間ありますか?」
「大丈夫だろう。
絶海の山間部からは救われたから」
と慶紀はいろいろ混ざってしまったような、不思議なことを言う。
結局、車はディーラーに預かってもらい、いろいろ手配してもらって、かわりの車で、街まで戻ってきていた。
かわりの車もベンツなのだが……。
「道の駅で買ったものならあるんですけどね」
と言いながら、デパ地下で手土産を眺める。
「みなさん、どんな物がお好きなんですか?」
とか言いながら歩いているうちに、お菓子のコーナーを通り過ぎ、お惣菜のところまで行ってしまった。
デパ地下らしく、カラフルで華やかなお惣菜が並んでいる。
綾都が足を止めて眺めていると、
「どうした?
なんか酒のツマミになりそうなものでも買ってくか?」
と慶紀が訊いてくる。



