普通に山の上にあるお墓に普通に参り、ネクターはかけずに、お菓子を袋ごと供えた。
「ここ、置いて帰ってはいけないので。
カラスが来るから。
ここで食べてしまいましょう。
お茶も持ってきました」
綾都はそう言いながら、よく冷えたペットボトルのお茶をクーラーバッグから出してくる。
海の見える街を見下ろしながら、おまんじゅうを食べ、冷たくちょっと渋めなお茶を飲むと、清々しい気分になる。
……墓場なのに。
だが、綾都も、
「いい風ですねえ」
などと言っていたので、まあいいか、と慶紀は思った。
「墓場と言えば――」
「怖い話はやめろよ」
「……じゃあ、やめときます」
と綾都は残念そうに言う。
話したかったようだ……。



