寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「先ほど小耳に挟んだんだが、藤宮は慶紀さんと結婚するのか」

「……いやあ~、どうなんでしょうね」
と曖昧な返事をして、微妙な顔をされてしまう。

 そのタイミングで二人の話が終わった。

「それではごゆっくり。

 藤宮くん、粗相(そそう)のないように……。
 ああいや、余計なお世話だったね。

 慶紀さん、藤宮くんをよろしくお願いいたします。
 うちの期待の若手だったんですけどね」

 だったんですけどね?
 過去形っ!?

 私なにかしましたかっ?
と社長を見たが、社長は、愛想良く慶紀に、じゃあ、また、と言って行ってしまう。

 慶紀は、いつの間にか綾都の隣に来ていた。

 慶紀が深々と頭を下げたので、それにそろえて、頭を下げる。