寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 

 なんだろう。
 白神さんが深刻な顔をしている。

 帰りに慶紀と合流した綾都は、助手席から彼の表情を窺う。

「……綾都」
「はい」

「その、今日……
 いや、なんでもない」

 今日、なにがっ?

 今日、素敵な人と道で出会った、別れようっ?

 今日、また見合いした、別れようっ?

 そう自分が不安に思うのは、慶紀との結婚話が駄目になったら嫌だな、と思っているからなのだが、綾都本人は、まだあまり、その自覚がなかった。

 ちなみに、慶紀が言い出せなかったのは、浜子と蘭のことだった。

 だが、綾都は自分が悪く言われかけたことを知らないのだから、彼女に言うことはできないな、と慶紀が気づいて止めたのだ。