寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 


「あのー、慶紀さん、なにをして……」

 その少し前、物陰から廊下を見つめている慶紀に気づいた社長秘書の菱川(ひしかわ)は慶紀に声をかけたが。

 慶紀は、しっ、と口に指先を当てる。

「すみません。
 今から、彼女たちが綾都の悪い噂を話すみたいで」

「止めなくていいんですか?」

「ちょっと聞いてみたくて」

 嫁の悪い噂を!?

「あの綾都のなにを悪く言うことがあるんだろうなと思って」

「美人で有能で目立つから、やっかみでは?
 あと、慶紀さんと結婚することに対する嫉妬があるんじゃないですかね?」

 そう言ってみたが、慶紀の頭の中を様々な妄想が駆け巡っているらしい。