もしや、綾都は意外とモテるのでは、とちょっと失敬なことを考えながら慶紀は廊下を歩いていた。
あの好みのうるさい櫂が、綾都が気になると言うなんて……。
そんな風に悩む慶紀の後ろがやけに騒がしい。
結局、櫂も乗せて帰ることになったからだ。
広く長い廊下の途中に、時折、現れる像のポーズに愛と櫂がケチをつけている。
「像で気になるといえば」
と綾都が語り出す。
「上半身は服着てるのに、下半身は着てない像とか。
楽しい公園なのに、何故かうちひしがれている子どもの像とか。
偉い上人様に後ろから殴りかかろうとしている船頭さんとか。
いろいろ気になるポーズの像が多いですよね」
なにを意図してそこに置いているのか気になります、と言う綾都に、慶紀は、
「……俺は、お前が何処でそれを見たのか、の方が気になる」
殴りかかる船頭ってなんだ? と言った。



