じいさんに挨拶すると、じいさんは普通に話し、秘書に呼ばれて去っていった。 綾都が秘書のもとまで連れていく。 その後ろ姿を好ましげに見ながら、櫂が言った。 「面白いね、綾都ちゃん」 「……譲りませんよ」 「譲ってくれなくていいよ。 欲しくなったら奪うから」 と櫂らしいことを言ったあとで、 「あ、でも、俺、お前も好きだから、たぶん、奪わない」 と笑う。 だがすぐに、 「綾都ちゃーん」 と綾都のもとに走っていったので、 ほんとうか……? とちょっと不安になった。