日枝のおじいさんが何者かは知らないらしい綾都だが。 おじいさんの話をうんうん、と聞いてやっているようだった。 綾都の声は微かに聞こえるが、おじいさんの方は小さくてよく聞こえない。 だが、綾都が真剣に聞いているせいか、じいさんも熱心に話しているようだ。 「たぶん、同じ戦時中の話が三周くらいしてるから止めるか」 と言う櫂とともに行くと、綾都が話しはじめるターンになっていた。 「へー、それ面白そうですね。 じゃあ、将来なにになりたいんですか?」 ――!? と櫂と二人、足を止める。