寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「そういうのじゃなく、ちゃんとしたおうちのお嬢さんをご紹介すればよかったのに。

 菅野さんとか、藤宮さんとか、荒木田さんのおうちには、年頃の娘さん、いらっしゃったでしょう?」

 愛が、顔をあおいでいた扇子をパチン、と閉じ、
「綾都さん、睦月(むつき)に挨拶して」
と言う。

 睦月というのが、この紫のドレスの人のようだ。

「はじめまして、藤宮綾都です」

「藤宮会長のお孫さんよ」
と愛が付け加える。

 ……ご存知だったんですね。

 まあ、息子の嫁が何処の何者か調べないはずないですよねー、と綾都は苦笑いする。

「えっ?
 あなた、あやちゃんなの?」