寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

「櫂さんのご紹介なのよ」

「あらそうなの。
 あら、櫂さん」

 ちょうど櫂がやってきた。

「櫂さんが、この素敵なお嬢様を慶紀さんにご紹介されたの?」

「ほんと、慶紀には似合いの相手ですよねえ」
とにっこり営業スマイルで櫂は言う。

「でも、残念ながら、僕の手柄ではないんですよ。
 うちに出入りの保険会社の方のご紹介で」

「ああ、保険会社の人のご紹介なの?
 そういうのたまに訊くわね。

 自分が出入りしている会社の独身の人同士を引き合わせて。
 で、結婚したら、また新しい保険に入れるんでしょう?」

 ……なるほど、そういうことだったのか。
 保険のおばちゃん、よくコンパの話とか持ってきてくれると思ったら。

 まあ、紹介する方もされる方もwin-winなのでいいのかな?
と綾都が思ったとき、ちょっとねちっこい声で紫のドレスの人が言った。