すぐに来てっ、と結構な剣幕で愛に呼びつけられたので、なにか怒られるのではとビクビク駆けつけたのだが。
中庭の会場に行くと、愛は上機嫌で歓談していた。
「あら、あなたたち、早かったわね」
怒られるのなら、せめて心象よくしようと急いだからです、と思いながら、綾都は、ぺこりと頭を下げた。
「可愛いでしょう?
この子が慶紀の婚約者なのよ」
あの、まだ婚約してません……。
「あら、ほんとうに綺麗なお嬢さん。
どちらでお出会いになったの? 慶紀さん」
相手のご婦人は、ちょっと険のある物言いだった。
どうやら、この紫のドレスのご婦人と愛はライバル関係にあるようだ。
どうもなにかで張り合いはじめ、うちの息子が結婚するのよ、と愛が言って、なにかを自慢するために、急いで呼びつけたらしい。
……バチバチな空気を感じる。



