寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 


「電話はうちの親からだった。
 ちょっとそこまで来てるから会いたいと」

「靴、乾いててよかったです」
と言いながら、洗ったとはいえ、猫のフンを踏んだばかりの靴でお会いするのもどうだろうと思っていたのだが。

 訪れた瀟洒なレストランの個室では、それを上回る衝撃的な事実が待っていた。

「私、お友だちと行く予定だった旅行にいけなくなったの。
 あなたたち、二人で行ってきなさいよ。

 なかなか予約とれない宿だから」

 慶紀と二人、

 ――!?
としか表現しようのない衝撃を受ける。

「あの、お母さん。
 俺たち、まだ結婚もしてないんですけど」

 婚前旅行とかどうかと、と言う慶紀に愛は眉をひそめ、
「やあねえ、あんた、いつの時代の人間?」
と言う。