次の日、綾都は慶紀に、
「家もいいが、家具とかも見に行ってみるか?」
と訊かれた。
なんだろう。
話が、どんどん具体的になっていっている。
私の気持ちは具体的になってはいないのですが、と思いながら、二人で家具屋を数軒回る。
「最近のベッドは下に収納があるのが多いんだな」
「そうですね。
便利ですよね。
引き出しをつけないっていうのもできるみたいですけど」
綾都はそこで言葉を止めた。
どうした? と慶紀に訊かれる。
「引き出しがないと、下に人が寝てたりしそうで怖いですね」
「……俺とか?」
と何故か慶紀が言う。
いや、何故、家の主人が私のベッドの下にひそんでるんですか。
この人の発想、時折、わからない、と思う。



