いつの間にか近所の人も混ざって、トーナメント制で戦っていた。
「初めまして、白神慶紀です。
チー」
などと繰り返しているうちに、ご近所さんたちへの挨拶も終えてしまった。
帰り際、花実が、
「くっ。
今まで、哭きの花実と呼ばれてきたのに。
今度から、その称号は慶紀くんにあげるわ」
と言ってきた。
いや、いりません……。
「でも、慶紀くん、すっかりこの家にもご近所さんにも馴染んで。
櫂さんは、ほんとうに、いい人を紹介してくれたわ」
と言う花実の声を聞きながら、
「じゃあ、帰るから」
とトーナメントで負けた綾都の頭をぽんぽん、と叩きかけたが、やめる。
まだ遠慮があるからだ。
嫁になる人、という感じがまだしない。



