親御さんにご挨拶に行くときは、結婚の話もまとまって。
ちゃんと正装してから――
と思っていた。
だから、今までご両親にはお会いしなかった。
藤宮家で麻雀を打っていると、綾都の父親が帰ってきた。
「はじめまして。
それ、ロンです!
白神慶紀です」
「慶紀くん、待ってっ。
それ、待ってっ」
と花実が暴れて大騒ぎになる。
……こんなご挨拶をする予定ではっ、と頭を抱えながらも、慶紀は麻雀の手は抜かなかった。
勝負に弱い男では、娘さんをください、と言えない気がしたからだ。
綾都の父にそう言ったら、
「いやあ、ちゃんと働いてくれれば、勝負運とかいいから~」
と言ってくれただろうが。



