取引先の会社に慶紀は来ていた。 廊下の向こうで群れている男女が視界に入る。 長身でモデル体型の美女が目に入った。 整った顔に、ふわっとした長い黒髪。 知性を感じさせる目元だが、何処か可愛らしい印象だ。 その前に、何故か、なにかで巻かれたエビが浮かんだ。 二人、見つめ合う。 「あのっ、もしや、あなたはっ?」 「もしや、お前がっ?」 綾都の横で、侑矢が、 「なにこの人たち。 生き別れの兄妹?」 と呟いていた。