極道家の花の姫は最強女総長様



「失礼します。」

刹那が遠慮気味に扉を開くとそこには優しい気な表情を浮かべた男の人が立っていた。
その人のことを私はよく知っている。

「こんにちは、御言さん」

ここ蛍月学園の理事長で私の叔父さんに当たる人、蛍月御言さん。
とても優しくて良い人だ。だた難点があるとすれば……

「久し振りだなぁ!彼岸ちゃん!元気にしてたかい?ここに来る途中不良に絡まれなかった?怪我してない?変な人を見つけたら叔父さんに言うんだよ?直ぐに消してあげるからね?」

……相変わらずだぁ、御言さん

「御言さん、落ち着いて下さい。俺が付いてるんで彼岸の事は心配ないですよ」

刹那は相変わらず頼もしい。まぁ私のほうが強いけど!

「そうだねぇ、刹那が着いていれば心配ないか!」

ふふっ、刹那ってば信頼されてるんだなぁ。なんだか誇らしげな気分になったのはきっと刹那が自慢の幼馴染だからだろう。
すると御言さんが我に返った様な表情を浮かべコホン、と咳をついた

「改めて、転入おめでとう、彼岸ちゃん。歓迎するよ」

「はいっ!今日からよろしくお願いします!」

「ははっ!相変わらず元気がいいなぁ。彼岸ちゃんは1−S、刹那”達”と同じクラスだよ。
あとは僕の後輩も居るから、仲良くしてほしいかな。」

御言さんの後輩って……”蛍麗”の人達だよね?仲良く出来るかなぁ……?
……でも、御言さんの後輩だもんね!きっと良い人達の筈!そう信じよう!

「それじゃあ刹那、クラスまで案内してあげなさい」

「っす」

刹那ってば相変わらず照れ屋だなぁ……クラスの人達と仲良く出来てるのかな?
変な誤解されてないと良いけど……

「彼岸、行こ」

「うん!」

そうして、少しの不安を抱きながらも刹那に教室まで案内してもらうのだった。