俺は口を開いた。 「―――はい。衣都が亡くなったあと、俺にやってほしいこととかが」 「そうなの。…手紙入っていなかったかしら?」 「えっ?」 もちろん、図星だった。 未だに読めずにいる、あの手紙の続き。 誰も知らないはずなのに、どうして―――? 「私たちにもね、手紙があったのよ。それに書いてあったの」 微笑んで心の問いに返答され、顔に出ていたか、と反省する。