今の俺から見れば幼い衣都が、満面の笑顔でこちらを見ている。 当然だが、俺の姿は切り取られ、青い花と衣都だけが飾られていた。 「…流星くん」 声をかけられて、姿勢を正す。 衣都のお母さんは何を話すか躊躇した後―――すぐに頭を下げた。 「ごめんなさい」 「えっ…」 謝られるようなことなんて…と、俺は考える。 むしろわんぱくだった俺をよく見てもらった恩があるのはこちらだ。