「…金木犀が咲いたら」 衣都が座っている彼女より随分と高い金木犀を見上げる。 「乾燥させて、袋に詰めたら…香りがするまま、キーホルダーとかにできるんだよね。ポプリだっけ?」 金木犀が咲く頃に、もう君はいない。 口を開いて、閉じる。無駄に喉が乾燥する。 ああ、サイダーかコーラか、何かが飲みたい。 「…流星。10月は金木犀でポプリ作って」 衣都は俺を見ずに話し続ける。 俺は見えないことをわかっていても、頷いてしまう。