からからと小さなタイヤが回る。 ふんふんと楽しげな鼻歌が聞こえる。 衣都は久しぶりの外出に、嬉しそうに鼻歌を歌っていた。 「楽しい?」 「うん!金木犀見れるもん!」 可愛らしい返事に「そっか」と微笑んで、俺達は中庭に出る。 秋の高い空に、カラスがゆうゆうと飛び去っていく。 眩しいような青に目を細めて、金木犀の木を目指した。