そう言いかけて、止まる。 衣都の誕生日は春だ。 2月27日。 余命が3ヶ月である衣都は―――もう次の誕生日を迎えることもないのだ。 そう気づいた瞬間、世界が戻る。 まるで自分の家か、衣都の家のような気分だったのに、そこは一瞬で病室へと戻ってしまう。 そうだ。 衣都はきっと病院で、地域でやる大きな夏祭りにもいけないじゃないか。 じゃあ浴衣を着ることももうできないじゃないか。 クリスマスも、ハロウィンも。 もう何もできないじゃないか。