ホワイト・サマー・エンド




うつくしい、俺はそう思った。



俺にそんな言葉を出すのは似合わないけど、でも、そう思えてしまった。



今思えば、不吉なくらいに。

不吉なくらいに、不気味なくらいに、美しい光景だった。






* * *




その日の学校に、衣都(いと)はいなかった。


俺はあまり、おかしいとも思わなかった。




時折、衣都は体調を崩す。

それは単純に体力がなくて免疫力が低かったり、はたまた精神が不安定になっているときもあった。


そんな衣都を看病したり、お土産やプリントを持っていってやるのもまた俺の役目で。


俺はそれを誇りに思っていた。