「…見つけたから。買っといた」 「えっ、これ、これって…いいの…?」 俺は頷く。 当たり前だろ、衣都のためのプレゼントだ。 ふわりと柑橘の匂いが広がる。 「ありがとう!」 衣都の笑顔は、本当、それだけで俺の幸せだ。 衣都は笑顔になった。 入院してから最高の笑顔。 それでも、あの頃の笑顔を取り戻すことはできなかった。 * * *